ヒッチハイク日本一周11日目のお話し。

〈前回のあらすじ〉
 東北の洗礼を浴びながら安東は山形の鶴岡を出発し、秋田へと向かった。トントン拍子でヒッチが進み、昼過ぎには秋田駅へと到着する。しかし秋田の夜、現地民の家路につく早さに驚愕し、秋田美人とご飯を食べる。というミッションは白紙に戻った…いや、大敗を喫したのである。

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どうも、中の人です。僕はヒッチハイクで日本一周をしました。旅をしてから沢山の土地に思い入れができてしまいました。先日鹿児島で震度5レベルの地震が起きたときも、今まで以上に人ごとではなく、泊まらせてもらった11人家族は!?仲良くなったお花屋さんのお姉さん2人組は!?とか。御二方とも無事だったので良かったのですが、もう日本は安心できない国なのかもしれません。広幅に断層が入り組み、北は北海道、南は沖縄まで強震が実際に起き、火山活動も活発、集中的な豪雨による被害も耳にします。地元九州北部を襲った豪雨により各地での被害は死者35人、行方不明者が6人。被害額は1400億円にまで上ると発表されました。そのニュースを、僕は福島県に滞在している日に知りました。旅中、被災地を回っていたときに痛感した自分の無力さが蘇ります。

 

何かしたい!でも1人のチカラって本当に小さい、自分の無力さが遣る瀬無い。

 

それでも何かしたい俺に今できることって?

 

自分への問いが晴れないまま何日か過ぎた頃、Facebookからとあるクラウドファンディングの特設ページが流れてきました。それは日本最大のクラウドファンディング・プラットフォーム 『CAMPFIRE』による【九州北部豪雨災害】緊急支援金募集プロジェクトでした。九州に戻れない僕に今できることはこれくらいしかありません。微力ですが、支援をさせて頂きました。今被災地に対して自分は何ができるのか。支援を募るも、復興ボランティアも、食料支援も何でもいいとは思います。オレがしなくても誰かがやるでしょ、とかオレ1人がしたって何にも変わらんでしょ。っていう想いの数が減ればいいなと思い書かせてもらっています。統計は1人1人の決意の合計値。金額は足し算であり、想いは掛け算です。1人でも支援者が増えれば幸いです。

https://camp-fire.jp/projects/view/35860


ヒッチハイク日本一周 11日目のお話し。〉

 

ミッションに失敗した僕が雨に濡れながら行き着いた先は健康ランド的な中に併設された人生初のカプセルホテル。

(何だか秘密基地みたい…!!!)

僕に残っている少年の心が踊ったことを覚えている。

 

5分後

 

「せっめーわ!」

 

 

「痛っ頭打った!もう二度と泊まらんからなカプセルホテル。」

 

など燻んだ大人の文句が肩を並べる。

 

少年の心とは?改めて自分に問いたい。

 

そんなこんなで次の日出発は昼過ぎ。旅を初めて5日目から絶賛通信制限である安東は、Wi-Fi環境で地図を開き写メるのが日課であった。ほんの一部をご覧いただこう。

 

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生きるために必死です。笑

 

退館受付のおばちゃんと話していると、帰ろうとしている地元のお母様がたまたま聞いていて、僕の求めていた秋田北ICまで連れて行ってもらえることに。こんなことあるのか…

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ノブ子さん、ありがとう!!!!!

 

さて、先を急ぎたいところ…むむむ!?

 

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えー、報告します!!!

 

クルマなし!

 

建物なし!

 

日光なし!

 

 

なんもねぇ

 

あぁ誰もいねぇ

 

なんもねぇ。

 

“ 旅中佳介 心の俳句。”

 

まあ厳密には車は通るっちゃん。ほら

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四角になっとって、みんな曲がっていくわけよ。真っ直ぐ進んで高速乗るのは新潟方面へ下る車ばかり。雨は横殴り、遮るものは何もなく流石は秋田、マジで寒い。ほら、寒い時期にでる白い吐息。アレ出るレベルですよ5月中旬で。

多角的に攻め過ぎ。もうね、クロスカウンターを狙うべくノーガードで打たれまくる矢吹ジョーみたいな気持ち。

 

状況は非常によろしくない。

 

江戸っ子より受け継がれし「気合い・根性論」を自分に投げかけ、奮い立たせる。

 

 

 

それにしてもここ、ホントキツかったなぁ。 (僕の旅中での劣悪状況ワースト3に確実にランクインしている)

 

そんな実を結ばない時間を乗り越えた。遂に一台の車がハザードランプを点け、道脇に逸れてくれたのだ。

 

 僕は寒さで固まった足を絡ませながら車に駆け寄った。

「い、いいんすか?」

「狭くて良いなら乗ってけよ」

「結構濡れてるんすけど…」

「構わねえよ、風邪ひくぞ乗りな」

 

寒さ×孤独 は人を弱くするのかもしれない。本当に涙が溢れそうだった。笑

 

「ありざぁます!!!!」

 

だいぶ崩れた日本語で ありがとうございます を秋田の人里外れたど田舎IC周辺に響かせた。遮るものは何もなかった。

 

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紹介しよう、仙台が生んだ救世主まっさんだ。仕事は経営者の顔を持つ反面、娘さんが3人いるらしく全員しっかり大学まで卒業させたスーパーお父さんである。

 

こども1人あたりの生まれてから大学卒業までにかかる費用は統計で、2000万と言われている。単純計算でその3倍、「スーパーお父さん」以外の呼び名が見つからない。

 

口数は多い方ではないが、温かい人だという認識を持つことに何の抵抗もなかった。温もりとは言葉の端々から伝わってくるものなのだと実感した。すげーカッケェなと思ったよ。ありがとうな、まっさん。

 

実は高速道路は秋田の途中で完全に途絶えてしまうのである。そこで降ろしてもらった僕は大雨で一層暗くなるのが早い空をみて今日中に青森に入ることを固く心に決めた。

 

そうはいっても大雨。僕は山崎製パン株式会社が運営(フランチャイズ展開)するコンビニエンスストア『Daily YAMAZAKI』で悪天候を凌ぐことに。動きたいのに動けない。もどかしさが僕を奮い立たせる。僕は遂にヒッチハイクにおけるタブーな奥義

 

『conveni de hitchhike.』

 

を実行に移した。英字を用いると何だかカッコよくみえるが、コンビニ内で声をかけるという、いわゆる結構迷惑な行為である。これが迷惑極まりない行為であるという認識は僕にもある。なのでドンドン声をかけていくジャブスタイルではなく、一発KOのどストレートをかます必要性がある。僕の選球眼が問われ、何度も使える奥義ではないので慎重に人を見極める必要がある。

 

…あるのだが、秋田のど田舎である。人が来ない。店員の人件費を超える利益を本当に生み出せているのだろうか。と疑問に思う程の集客の無さであったが、人の心配をしてる場合ではない。ここで夜を迎えれば確実に死亡フラグ

 

やっとこさ1人来店。僕は胸中で「いらっしゃいませ。」と呟いた。選球眼とかの話は前言撤回!かませ渾身のどストレート!!!

 

「オレケースケっす!!!オレ超オモロイ人間なんで話すと絶対楽しいと思うので車に乗せてください!」

 

WAO!バカかオレは!!!!!もっと色々言い方あったやん!大雨で足止めくらってて〜とかヒッチハイクで日本一周してまして〜とか。ただの頭おかしい自己紹介型自意識過剰系超変人だと思われることに疑いの余地がない。コンビニ内やし。多分一発で決めんといかん…っていうプレッシャーからか綺麗にカラ回りしたんやと思う。闘わずしてTKO…いえ、自爆です。それを汲み取ってくれたのか手元に持っていたスケッチブックで瞬時に現状把握データ処理してくれたのか、

 

「あー、そっか。じゃあ…乗ってく?」

 

そうっすよね、ダメですよね…

ってえ?え、良いんすか!!!笑

 

おいおい、器が大きすぎる…大人の対応に心から感謝したい。後から何故乗せてくれたのか問うと「ほら、悪い人にはみえんよねぇ」と。

 

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威圧感の無いよう極限に顔を薄く生んでくれた両親に是非とも感謝したい。(韓国に行くとネイティブにしっかりハングル語で話しかけられまくる実績を持つ安東です)

 

五分圏内に自宅があるにも関わらず30分以上クルマを走らせ、僕が次ヒッチハイクの成功率が高いそうなところまで連れて行ってくれた…普段何を食べたらこんなカッコ良すぎる人間が生まれるのでしょうか。

 

A.僕の予想は納豆。

 

ゆうきさん、本当にありがとうございました!!!マジリスペクト!

 

 

いやー、夜なったねぇ。ヘッドライトが行き交う歩道橋の下で、頂いたアンパンを口に詰めながら僕は懸念していた。暗くなれば、成功率はガクッと下がる。頼れるのは、赤信号 the ノック と俺は絶対危害のない安全な人間だということを一瞬で相手に察知させてしまうような満面のスマイル。(ヘッドライトに照らされ浮かべる満面の笑みは逆に怖いかもしれない)

 

少し時間はかかったがヒッチ成功。少し秋田弁のなまりが強い成果販売のようへいさん(27)彼の優しさに家を超えてより秋田と青森の県境付近まで送ってもらった。ありがたやー(T_T)本当にありがとうございました!!!

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しかしここで大問題に気づく。

 

ここ、ムッチャ山の道中やん。えらいところに降ろしてくれましたようへいさん。笑

 

僕の降りた場所は秋田→青森 へ向かうために越えねばならない山の途中に位置する街灯ほぼ無し、小さなトイレがポツンと一つだけ置かれた誰がこんな気味悪いとこに車停めんねん。とツッコミを入れざるをえない場所である。勘弁してくれ

 

時刻はPM10:00を回っていた。この時間誰がこの道使って青森行くねん

 

ましてや就寝時間も早そうである。(田舎への完全なる偏見)

 

仮に車が通るとしよう。目の前はゴリゴリのカーブ、真っ暗な中ヒッチでもしようもんなら僕は確実に轢かれるだろうorz これをピンチとして何と呼ぶ。僕の人生の先輩にこんな言葉を残した人物がいる。

 

ピンチはピンチ、クレームはクレーム。

 

無論その通りである。お客様からクレームを頂戴したとき、それは紛れもないクレームなのである。君の飛躍へのチャンスではない。

 

話を戻そう、要はこの時間帯にわざわざこの気味の悪い場所に停まって用をたす人がいない限り僕はこの場所での野宿が確定するのである。この暗さだと下山もできまい。ましてや気味の悪い場所にポツンと1人たたずむ割と色白の僕。

 

もっと気味悪い。

 

停まる人も停まらんぜこれじゃあ。笑

 

 

一刻も早くここを脱したい僕は、何か打開策を練っていると奥の方に薄っすら何かある。しかも何だかとっても大きい。え、怖い怖い。

 

近づいてみる。

 

ドクン…ドクン…

 

と、トラック?トラックだ。でもエンジンも電気も付いてない。カーテンは閉まってるから寝てんのか、それとももう何年も使われてないトラックなのか。ホコリのかぶり方からして、これ何年も放置したトラックっぽいな。と名探偵安東は推測する。

 

何はともあれ、とりあえずノックしてみる。

普通に人出てくる。

めっちゃビビって叫ぶ。

「じゃあ何でノックすんだよ。」って言われる。

 

おっちゃん、半端なく正論っす。笑

 

 

事情を説明し、青森まで乗せてもらえることに。

 

最後におっちゃんから一言。

「もう一眠りすっからお前も車で寝ろ。」

 

会って10秒で一緒に車中泊

 

 

 

おっちゃん、その提案『神』。

 

 

https://www.instagram.com/p/BXWechDAWdW/

.数少ないフィルムカメラ仲間とぶらっと写真を撮ってきました。iPhoneって結構後ろボケるんすね…高1んときにキャナルでバイトしてたときの先輩と偶然なる再会。尊敬する経営者の方とぼちぼち記憶がないくらいまで呑みました。頭痛い#iphone6 #coregraphy #vscocam #カメラ男子 #白石さん #どうやって帰ったっけ

 

 

 

 

 

 

 

ちゃお。